日本政府が投資を国民に勧めていますが、穿った国民は
「預金したら銀行が融資で企業を成長させるんじゃないの?」という反応をTwitterで見かけます。
今年の2月に出た下の記事では、大手銀行が赤字の新興企業へ融資という内容が報道されています
フィンテック企業の資金調達が変貌している。赤字企業への融資が可能になるスキームや支援の体制が整い、大手銀行もフィンテックなどスタートアップへの積極的な資金提供に動き出した。
前提として新興企業というのは将来の売上を見込むほど、赤字が大きくなります。
GoogleやAmazonが黒字化するまでにかかった期間、世界的なグロース企業は今でも赤字なように、日本の銀行はバブル崩壊後は成長企業への投資的な融資を完全に不可能になっていました。
昔の日本の金融機関はレベルが高く、経営者の将来を見込んだ融資が日本の大企業を生んできました。
ただ、バブル崩壊後は融資基準が変わり、優秀な人材は無理やりな銀行の強制合従連衡で失いと預金はあるけど…という状態に陥りました。
スルガ銀行の事件から分かるように、関わりがあるだけのゾンビ企業への融資は続くように、機能は死んでいました。
バブル崩壊後に生まれた成長企業の特徴
銀行が新興企業へ融資するという事が2023年にニュースになる。
つまり、バブル崩壊後からそれまでの新興企業はどう成長してきたかと言えば…
CVCやベンチャーキャピタル等、エンジェル投資家や経営者仲間などです。
モノタロウやエムスリーなどは大手資本から生まれているし、バブル崩壊後に1兆円の時価総額に迫ってきた企業は大企業から生まれたり、支援を受けている企業が多いです。
私が投資対象としていたようなAI企業はベンチャーキャピタルや大学ファンド、企業などが投資していました。
つまり、日本において新興企業→大企業になれた企業は国民が預金して、それを銀行が融資してでは全くなく、大企業などの既に潤沢な資金があり、投資先を探している集団が成長企業の株式を多く保有しながら成長させていったわけです。
では預金はどこに融資されるかと言うと、既にある大企業が資金調達するときなど、既に信用がある企業への融資や、地銀なら地元企業への融資という感じです。
なので、預金が全くの無価値ということではないですが、京都銀行が任天堂株を多く持っている、愛知の地銀がトヨタ関連の株式を多く保有しているという過去に頑張ったんだろうなという結果は見えますが、地銀が成長企業の株式を多く持つ例は皆無なので、近年では新しい産業への転換という意味では預金が意味をなしていないようです。
動きが加速する大企業発のファンド
ファミマも松竹もCVC設立 大企業のベンチャー投資、驚きの実態
ようやく大手銀行が新興企業へ融資を開始していますが、大企業はもっと前からやっており、日本政府のスタートアップ支援の流れに早く乗っています。
2022年→2023年でスタートアップ支援は加速し
大企業はCVC活発、銀行は融資、日本政府は緩和と支援というスタートアップの天国が見えてきています。
逆に言えば、2022年までは大企業やベンチャーキャピタルくらいしか新興企業の役に立つことはなく、ようやく!日本人の預金好きが成長企業の役に立つ可能性が出てきました。