年末なので2024年の日本の経済データも揃ってきました。
まず、GDPがプラス成長になるためには9-12月期で1%以上の経済成長が必要で2024年の日本経済はマイナス成長に終わることが確実になっています。
GDP成長がマイナスで、政府は景気対策のために追加予算を組んでいますが、そんな国が利上げしているのでアクセルとブレーキを同時に踏むのが大好きな日本は一部を傷ませながら意味不明に苦しんでいます。
勤労者世帯の賃金も貯蓄も増えている
テレビやSNSにはインフレで生活が苦しいという声が拡大されて届いているようですが、少なくとも一般的な勤労者世帯では賃金が30万円近く増加し、税金を除いても可処分所得は24万円増加しています。
元の賃金とインフレ率を考慮した実質賃金を見れば低い人はプラスで、多い人はマイナスかな?という感じですが、全体で見れば可処分所得は前年比で増加しているのは事実です。
で、この増えた24万円の使い道が問題です。
日本の一般的世帯は可処分所得が増えたときに、20%を消費に回す"限界消費性向が2割"の国と言われてきました。
増えた分を20%しか使わないので政府からすれば増税しても余裕があるでしょ?の根拠にさえなり得ますが、今年の国民は24万円増えた賃金に対して増加した消費額は2.7万円程度で2割どころか1割ちょっとしか増えていません。
なら、投資に回ったかと言えば微増で、ほとんどんは貯金と保険に回しており、24万円の内の16万円は貯蓄に回しているようです。
インフレなので貯蓄は目減りしますが、昨年比でさらに貯蓄額を増やしているので日本国民は金利がつくはずのないインフレでもっとも不利な貯金をせっせと増やしているようで家計は非合理的です。
その上で賃金が増えてもローン等の債務を増やさないのでマネーサプライにはマイナスで、賃金が増えても消費は賃上げされても1割しか増やさないので日本国民の平均的な動きは日本経済にマイナスになっています。
日本のマネーサプライは鈍化へ
マネーサプライが増加し経済好調なアメリカなどの国に対し、日本は4月からマネーサプライが伸びなくなっています。
利上げのせいかな?企業の賃上げが利益的に無理そうで企業が投資控えをしているかな?と思っていましたが、日本の家計もマネーサプライ減少に寄与しており、無理なローンを組んでタワマンや高騰している都市マンションを買っている人たちの方が日本経済に大きな貢献をしていたことになります。
年収が増えるほど税金が増えることは国民民主党の躍進で大テーマとなっていますが、仮に実現しても可処分所得が増えても消費はその中から10%しか増えない新日本人の動向を見るに可処分所得を増やす意味が日本のモデルケース世帯からは見えてきません。
選挙や世の中の声にはこのモデルケースの声も反映されてくるので、彼らの貯蓄の意味が将来不安なら減税よりも現在の社会保障の維持こそが重要であり、減税による財源や将来不安を煽られるなら減税は欲しくないんだろうと思います。
個人的には基礎控除を上げるくらいは最低賃金かインフレ率のどっちに合わせてもいいから自動で動くように連動させろよと思いますが、この程度の議論さえ進まない日本は議論が進まないからやっぱり一党独裁が良いと言い出しそうですね。
2024年のGDPはマイナス成長で、可処分所得が増えても消費をほぼ増やさない/増やせない国民を抱えて利上げする国に2025年の経済成長が待っているのか?
普通ならインフレで名目消費が増えますし、デフレなら消費は減るので日本人がクレイジーでないならインフレが落ち着いても消費は驚くほどは増えないでしょう。
つまり、日本人はインフレでもデフレでも貯金が大好きすぎるという結論を2024年末にデータで再認識できました。