もっとも恐いのは流動性危機

2023年3月13日月曜日

雑記

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現実社会だけ見ていると基本的にどこもノホホンとしているなと思いますw



さて、アメリカはシリコンバレー銀行の破綻から金融機関の流動性危機を心配しています。


3月14日の日本株は多くが下落しました。これも流動性の関係です。



流動性とは

金融の世界では流動性=資金の流れる早さと量が重要視されます。

流動性が潤沢であれば、どれだけの赤字が出ても問題がないですが、流動性が絶望的であれば黒字企業でさえ倒産します。



流動性というのは人間で言うところの血液そのものであり、これの動きが悪くなれば経済のスピード感もなくなります。

アメリカの資金の回転速度は日本な倍以上と言われており、経済は資金の回転速度の低下によって成長が鈍化し、やがて日本化します。




流動性危機と対応

流動性の重要性が分かるのはリーマンショックです。

リーマンショック時は初期の対応を誤ったことで、流動性が足りずに連鎖が危機が波及していきました。


今回のシリコンバレー銀行の破綻は2日程度であり、このスピード感でシリコンバレー銀行→②という事態を避けることができ、別の問題のある銀行の処理に移れます。


次は本来潰れない金融機関(シリコンバレー銀行も本来なら潰れないが…)を守るための流動性の提供です。例えばMBSの価値が下がっていなければシリコンバレー銀行が破綻しなかった可能性が高いように、流動性提供で預金が引き出されても大丈夫なように、あるいはそうならないけど段階的に対応できるように流動性を増やす必要があります。




流動性提供で保っている例には中国がありますね。

中国は不動産バブル崩壊で経済危機が叫ばれましたが、銀行や金融機関に対して莫大な流動性提供を行いました、毎日毎日流動性を増やすことで金融機関の破綻はなくなります。

また、破綻する問題のある金融機関を潰して、他に連鎖しないように流動性を増やして対応するというのも手です。





今回のシリコンバレー銀行破綻で見るべきこと

正直、破綻の理由はどうでもいいです。

破綻は事実なので問題は将来どうなるか?


この将来を探るために見るべきはFRBや財務省、金融機関や米国政府が流動性を増やすのか?どういった処理をするか?です。

例えば債券の含み損がある中で預金が引き出されて金融機関が破綻するなら、破綻→政府管理化にしてから債券を適切に処理して足りない分の預金を保護するなど。



危機の際に金融機関単独で流動性確保しようとすると失敗することがあるので、可能な限り政府機関が対応するべきで、今回の場合は政府機関が一旦抑えて預金全額保護が該当しますね。




金融危機は実は簡単に起こる可能性がある、経済を30年壊す可能性のある危機(日本w)

米国がコロナ初期に流動性提供する際、FRBは社債や債券を兆円単位で継続的に買い続けました。これは極めて重要なことで、金融機関が保有する資産が値下がりしないように中央銀行が維持することで、金融機関はそれを担保に預金者への対応や貸し倒れ引当金など余裕をもって対応できます。


逆にこれがない現在に預金者が大量に預金を引き出す取り付け騒ぎが起きれば、シリコンバレー銀行のように高速で破綻が確定します。




流動性危機は株式、債券、暗号資産など多くの業界で起きる

例えば株式を今すぐ売りたい人がいて、買いたい人がいなければ流動性危機=暴落です。


これをシステムが増長する例は"オプションなど借金で投資"、"機関が運用で投資"→危機ならすぐに全部売られる(見境はない)

全部売りな状態で買い手は基本的に圧倒的に不足、本日の日本株のように売り手多数で買い手が優位となり、買い手が少ないために買値がひたすら下落。



逆に言うと、流動性危機でも売りたい人がいないような企業や資産であれば、下落幅は極めて小さい可能性があります。

ただし、ゴールドや腕時計など株式などと関係ないように見えるものでも、保持者が別資産を持っていて、その債務を返すために売るケースがあるので、流動性危機や金融危機時は資産であれば全てが売られます。




現実社会に流動性危機が及ぼす影響

流動性危機が現実社会に影響を及ぼすのは基本的にタイムラグがあります

急激な預金減少やそれにより損失が無限に増える金融機関が融資先から貸し剥がしを行う等の状況悪化によりですね。


貸し剥がしに対応できない企業は即座に会社清算

関係企業が破綻したことで黒字なのに、資産はあるのに手元資金がなくて倒産してしまう黒字企業の出現

と、金融機関の機能が停止してしまう流動性危機では企業に連鎖的な影響が発生します。




金融危機が問題なのは、本来潰れない企業が連鎖の影響で資金があれば存続できるのに破綻することであり、ある日を境に崩壊が始まって止まらないというのが流動性危機の問題です。



日本はコロナ禍ではゼロゼロ融資や雇用調整助成金などで流動性危機を回避し、日銀は異次元の金融緩和で流動性を支え続けました。

高い流動性や金融緩和によって経済政策の自由度が高いので、流動性を活かして経済を活況にまで持っていくのがアメリカなどの資本主義の国ですが、日本は金融システムが崩壊しないような流動性提供は成功し、経済政策では不足感があったという印象でしたね。




流動性を増やしすぎると資金の回転速度が早くなるので、これが自国内のインフレを招きます。アメリカはこれが顕著でしたが、日本は未だに微妙ですね。

資金の回転速度はさすがのアメリカも落ち始めていますが、これが落ちすぎると日本のように金融緩和しても資金が回らない状態になり30年を失うようです。

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