いよいよAIが暗号資産ブームと同じ状況になってきた

2023年4月9日日曜日

AI

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私はAI技術に投資している人間なのでAIには基本的にポジティブです。

ただ、人間側の反応がいささか行き過ぎているなと感じています。



いまAIが注目される理由

以前も書きましたが、2022年後半から2023年の前半にAIブームが開始と加熱しました。

が、この期間は明らかにそれ以外のIT産業の停滞とリンクしており、マイクロソフトがチャットGPTの企業に1兆円出資し、それにより各企業がAI開発と発表を相次ぎだしたのは、AIさえやっていれば資金が入るからという簡単な理由でしょう。



こちらのIPOしたばかりのNoteはAIサービスの発表で一時2倍にまで株価が迫りました。

日本株でもチャットGPT関連の〜というニュースがあれば買われるくらいなので、海外では発表した日に株価が倍になるケースが山のようにあります。


つまり、AIというのはそこまで高度な技術でもなければ、どこでもできる程度であり、2022年末から一気に増えたのは、いま発表すれば資金が入るという明確なチャンスがあるから増えているだけでしょう。

それを肯定するように無数のAIサービスが湧いてきており、暗号資産が盛り上がったときに大量のアルトコインが出現した現象に似た感じがします。




ほとんどのAIサービスはゴミ以下

こういうのはちゃんと書いておかないといけないですが、無数に公開されたAIサービスで大手企業がやっている面白いものもありますが、ほとんどはゴミ以下です。

確かにAIを使えば、作詞の才能がない人でも書けるし、漫画でも小説でも音楽そのものでも作れるでしょう。

ビジネスシーンでも使えそうな雰囲気のAIサービスは無数にありますが、残念ながら大量生産の道具という印象でしかなく、クオリティや質が求められる世界でAIはまだまだ機能不全です。



それに加えて、現在は戦争やインフレ、景気不安など不確実性が高い社会で、AIという将来が突然突きつけられた世界の人々が適正に評価できていると思えません。

足元は不安や苦しさがあり、AIという自分の将来を食いつぶしそうな技術が数ヶ月で世間を席巻した。

そこにはマイクロソフトが1兆円を出すビッグチャンスでもあり、本業が伸び悩みだしたGoogleもやらねばならずという状況で、世界がAIという世界なら不景気でも資金が集まる、リソースを割く価値があるとしているだけで、少し前ならSaaSやメタバースなどだったわけです。




AIサービスは投資家のため?

そして、資金が集まるという理由で企業が取り組む必要があるのは株主から、AI関連サービスはやらないのか?と聞かれるためです。

私は企業の最新資料や投資家とのQ&Aを読みますが、ITに近い企業なら絶対と言っていいほどAIに関する文言があり、

Q. AIサービスをやらないのか? A. 考えてはいる、できたら発表する

というやる前提で話が進んでいます。




現在の投資家の状況も書いておきますが、有望な投資対象が不景気の足音によって限定的であり、製造業も弱いため、投資先を探すのが難しい状況です。特に能力のない投資家は

しかし、企業がAIサービスをやるという情報を見るだけで投資すれば一定の成果が得られるので、投資家はAIにアンテナを張ればよく、企業に対してもいち早くAIサービスをやるかどうかを確認しているわけです。


もし企業の側としても新サービスを出すなら、AI機能そのものか、AIが付いたサービスを発表するほうが注目されるため、結果として社会全体でAIを求めてしまっています。

当然の帰結ですが、AIを動かすためのクラウドGPUが不足する結果を招いたので、AIのコストが水面下で上がろうとしているわけです。

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