アメリカのインフレが終わる条件

2023年4月13日木曜日

経済 雑記

t f B! P L

私はマクロ派でファンダメンタルズ派の投資家ですが、アメリカのインフレ終了こそが最大の投資タイミングだと思っていて、そのときまでには大型グロースを先頭に大勝負をしたいわけです。


ですが、どうやったらアメリカのインフレが終わるか?という話で、今回は私の仮説です。



企業物価のインフレは終わった

インフレを示す指標はCPIとPPIがあります。

CPIは消費者が買うときの物価です。

PPIは企業が生産するために仕入れる物価です。

つまり、PPIが先行して上昇し、遅効かほぼ同時的にCPIが上がっていきます。

で、ここに賃金は比較的影響しないため、賃金と失業率は別要因としてCPIに影響してきます。



本日はPPIが予想に反して前月比でマイナスとなっており、インフレ時代にはCPIよりも高く上がっていたPPIがCPIより鈍く、下落トレンドが加速しています。

まずこれで物を買うというインフレは落ち着いたぞと見るわけですが、同時に製造業は終わっているという見方ができます。

→AppleのPCが出荷4割減


ただし、アメリカは企業の活動が鈍化してきていますが、個人消費は依然として強いため、何に消費しているか知りませんが、消費額自体は多いままです。




賃金は下がってきたが…

PPIが下がったため、物の価格は上がらなくなってきたぞと。

次はCPIで重要ファクターでもある賃金です。

賃金は=サービス価格であり、人への報酬が高いままならインフレ要因は残っています。

indeedの情報を見る限り、アメリカの求人賃金の伸びは止まってきており、低賃金労働のコストが無限大に上がっていた状況ではなくなっています。

さらに、アメリカは企業の成長と管理職や経営陣の報酬がリンクしているため、高度人材はアメリカにおいては苦しい状況であり、賃金は落ち着いてきたのでPPIに合わせて落ちていくだろうと思われます。




インフレ終了の条件

上でPPIと賃金の伸びが鈍化し、CPIの伸びも鈍化していると書きました。

あとは失業率の悪化があれば、アメリカはインフレが急速に終了するでしょう。


現在のアメリカの失業率は3.5か3.6%くらいですが、4%当たりまで失業者が増えれば、アメリカの消費が強い…という状況も変わるでしょうから、アメリカの大企業はレイオフを連発していますが、そうなれば下へ下へ景気鈍化の流れは伝わるでしょうから、失業率も低すぎない水準に修正できるはずです。


失業率が低いほうがいいと思われるでしょうが、そうなると消費者が強い状態になるので、インフレ退治をしてきたアメリカにとっては悪夢であり、資産家や経営者が2022年は苦しんだので、最後は労働者が割りを食えばFRBは主導権を握ったままで、次の経済へ再出発できるでしょう。




最後に日本のインフレ率ですが、本来2021年から始まっていたインフレを、国民にインフレ耐性がないからと企業が耐え続けてきたのが、2022年の円安で破裂して加速しただけで、本質的には欧米と内容が変わらないので、日本の場合は為替が円高方向になりすぎないように維持、経済はアメリカ経済が2023年後半から失速するのを緩和できる動き、電気代や生活費さえ何とか抑え込めばOKだろうと思います。

もし日本がここでインフレ対策に金融政策を使ってしまうと、アメリカのオーバーキルや次の危機時に日本がスーパー割を食うと思います。


日本のインフレが高く見えますが、耐性のない中で進む状況悪化での破裂と、同時に進んでしまった経済再開とインバウンドというインフレとインフレ要因がミックスしてしまった結果であり、本質的に持続可能なインフレが起きているとは思えません。

もし、日本人が2%程度のインフレに慣れることが2022年からの動きであったなら、それは日本にとって最高の経験値でしょう。

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