現代の取り付け騒ぎのメカニズム

2023年5月3日水曜日

金融ゲーム

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銀行破綻が連続しているので連鎖しているのでは?と思う人もいるでしょうが、2023年に発生している銀行破綻は同じ方法で次から次へとターゲットが移るように潰されているだけで、A=BのようにAが潰れたからBもという状態ではないようです。



過去の銀行破綻

日本で過去にあった取り付け騒ぎでは、多くの人が窓口に殺到することで時間が多少かかりますが、ひと目で見て分かるように預金が引き出されているんだなという事実があるので、預金者のパニックこそが原因だと簡単に分かります。

基本的に銀行というシステムは短期のデュレーションを長期のデュレーションで運用し、そこのリスクを減らしながら確実に利益が出る仕組みではなりますが、これは短期サイド資金の平均的な期間が計算できるからであり、例えば定期預金などが代表例です。

つまり、銀行は預金引き出しが多くなれば簡単に破綻するものであり、経営の無理は当然ありますが、現代では適切な金利で適切な景気であれば預金は増え続けるもの。




現代の銀行破綻

少なくとも20年前と現代(2020年以降)の銀行破綻には2つの大きな変化があります。

①スマホやPCから数分で預金が動かせる

②SNSで情報が一気に拡散し、煽りが拡がってしまう

この2つが現代の銀行破綻を高速に、また再現性をもって狙った銀行を破綻させられる理由でしょう。


日本の銀行ならネット送金に一定の制限があったりしますが、海外では一発で1億ドルとか動かせるでしょうから、特に富裕層や成金が多いような暗号資産系やスタートアップ系、富裕層向けに強いなどの最近の3行の破綻劇は預金が多い上にネットで簡単に動かせる人々が銀行を破綻させた感じでしょう。


強権的な国であれば、預金引き出しを先に禁止にし、銀行が保有する資産を他の金融機関や公的機関が買収すれば健全な破綻ができるでしょう。

アメリカの銀行にせよ、クレディ・スイスにせよ預金が凄い勢いで減っていったことで招かれた破綻劇は現代の暗号資産に触発されたスピーディーで手軽に大金を動かせるシステムにより、不安があれば最短で1日で銀行が破綻するという過去にないスピード感で、窓口やATMで行列ができない見えない破綻劇が起きているようです。

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