パルワールドの成功要因を考えてみよう

2024年1月21日日曜日

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ポケモン×Ark的な感じで爆発的に人気が広がっているパルワールド

発売前から巧妙なSNSマーケティングで情報が適切に投下されていて、発売へ向けての情報発信が上手いな〜と関心していました。


私は0→1みたいな新プロダクトのマーケティングよりブランドマーケティングみたいな既存企業やブランドの方面は勉強しているのですが、パルワールドの爆発のしかたが非常に気になったので分析してみようと思います。




発売前に目をつけられる要素が満載

ポケモン×Ark的な感じで可愛いポケモン風生物を使役して労働させるというコンセプトや動画が出てきたときに、まずポケモンを知る多くの人々とArkというPCゲーマーの共通言語的なオンラインサバイバルゲーム要素が見えたことで配信者やメディアが取り上げる要素が満載でした。


Steamにおいてはウィッシュリストに入れさせる施策が最重要なので、この話題性のあるゲームが出てくるという期待感が初出から強かったです。


また、パルワールドの開発元はPCゲームに相当詳しくないと開発しているゲームを知らない無名なスタジオなので、挑戦的すぎるジャンルを攻めても傷つくブランドがないのが強みで良くも悪くもネガティブ要素がマイナスにならなかった。





ストリーマーが仲間につきやすい時期

多くのストリーマーは有名になる、過激さがある、とにかく視聴者の目を引くようなゲームを求めていて、一時期であれ「共通言語化」するゲームに飢えています。

パルワールドが発売された1月後半という時期は12月から新作が減っていて、1月も休み明けでゲームが少ないので特に目立った大作がなく、期待されるゲームが2月から3月に増えてくる傾向の中で空白期間に出てきた話題性のある新作タイトルでストリーマーは先行プレイできるなら無料でも簡単にお金になるので引き受けるでしょう。


私がパルワールドが勝ったなと思ったのは私が見ている海外Youtuberがほぼ全員先行プレイ動画を一斉に投稿し、それぞれが最近の動画より視聴数がかなり良かった点でバズるの確定だなと思いました。


生放送で取り上げられたゲームは配信中にウィッシュリストが増えますし、発売後なら進行プロセスや面白みが分かるので一気に販売数を伸ばせるでしょう。


ストリーマーは現在のSNSマーケティングが重要と化しているバズ至上主義の世界では、先行プレイなどの案件がひっきりなしに来るので選び手となっているのですが、その選び手が一斉に取り上げるポテンシャルは一般ゲーマーを巻き込んでいくのに十分。





世界で共通に強いジャンルで欧米中を一気に取れた

販売数を伸ばすには欧米と中国が最重要マーケットであり、国によって選好されるジャンルがありますし、中国は外部リスクとしてブロックされる可能性もあるのでメッセージ性は皆無のゲームがいいのでストーリーがないのは強みです。

また、最近のプレーヤーは発売されるゲームの数自体が増えた状態でストーリーを1つ1つクリアしている余裕はないので、ストーリー性のあるゲームは年1か2でいいわ!状態で、バズるゲームにストーリーは別媒体で展開されるかメインモードにはないことが多いです。


パルワールドのサバイバルとオンラインという要素は極めて強い要素で、フレンドがプレイしていて誘われる、オンラインでコミュニティやフレンドが繋がっているなら1人に売れるだけで見込み客はフレンド分増えるわけで3000円という低価格が普及を広げやすい。


サバイバルでクソめんどくさい生産等の要素を可愛いモンスターがやってくれるというのは差別化であり、自動化が極めてライト、戦闘もライトでとっつきにくい要素を感じないパルワールドは忌避感が本当にないです。

忌避感があるとすれば明らかにポケモンやArkを意識している点で、パクリが嫌いなゲーマーは嫌うでしょうが、どのジャンルもパクリを消化しながら新作が出てくるのでソースコードの盗用など致命的な要素がなければ倫理的にはOKとされる部類でしょう。



欧米や日本はサバイバルゲームが売れやすい傾向にあり、多くのゲームが売れてきてバズってきた経験があるのでパルワールド躍進は理解できます。

中華圏においても過去にArkの盗作ゲームがあったり、中華産のゲームでも欧米で売れたジャンルが増えてきているので中華ゲーマーも同様のジャンルが受け入れる土壌があるのが分かるので、パルワールドが売れる要素を十分に満たしていると思います。



レビューを分析した人は英語と中国語のレビューが大半で、しっかりと中国語レビューも多いことから欧米と中国で十分に売れていると分析していて日本は2%程度とされています。

ここから分かるように発売数や接続数で記録を作るには海外で話題になるジャンルで、共通言語的なゲームをミックスすればバズって日本以外の重要市場をしっかり取れることを証明しています。




ブームは続くのか?その後の問題は?

最近のゲームの中でも圧倒的な販売スピードのパルワールド

過去に誰もが触れる展開となったゲームと言えばPUBGがあり、パルワールドはPvPではないのでPUBGより遊びやすく、普段サバイバルゲーム系をやらないユーザーもどんどん遊ぶと思います。


逆にいうとオンラインが協力のみなので、遊び尽くすとPvPにあるカオスや新たな遊び方がないですし、可愛い生物と自動化もどこかで一気に飽きるのでシングルプレイだと燃え尽きやすいゲーム性なのでアップデートを行う運営のセンスが問われます。

ただ、パルワールドの新たな生物を捕まえて、拠点を自動化して生産拡大して〜みたいな流れは楽しいことしかないので1stプレイの遊びやすさとワクワクは凄い体験だと思います。




本家というか、ポケモンは適切なブランド維持で新ジャンルを正統シリーズを飽きさせない程度に開拓しながら、同時に昔からのRPGスタイルをしっかり進化させて、今まで続けてきたブランド力でゲーム以外でも圧倒的に稼げるのが特徴です。ここがパクれないのでゲームがパクリだ!!!はどうでもいいと思いますw


Arkの方は新作の評価が芳しく無く、こういったゲームが続編を出すことの難しさが出ているので、パルワールドの懸念点はArk同様にユーザー維持と新作でしょう。

Arkやパルワールドみたいな1回の開発で大きな労力を使うタイプで、早期アクセスで入ってしまうと完成までに追加の資金を得る方法が難しいので、どこまで風呂敷を広げて完成させ、次回作へスムーズに移行できるかは大変です。気が早すぎますがこのバズを生み出したチームの新作にはもう期待しかない。




パルワールドの躍進は凄いですし、Steamの記録を塗り替えるようなゲームが日本から出たのは喜ばしいことだと思います。

パルワールド以前にバズったといえるゲームが2023年は数えるほども記憶になく、あってもハリポタなどのAAAや、ストリーマーからのスイカゲームくらい。

2023年は多くのゲームスタジオが閉鎖したり、人材を解雇したりとPCゲームは苦戦しているのが鮮明とされていただけにインディー規模で久しぶりの大バズリです。


こういう明らかな話題性のあるゲームしかバズらないなら、じわじわと大規模以下中堅以上のゲーム規模が減っていきそうで危機感を同時に感じて終わります。

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